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BEP療法1クール目【卵巣未熟奇形腫】

書こう書こうと思いつつ、ぼんやり過ごすうちに2クール目も休薬期間に突入しています。あらら。どなたかの参考になるやもしれんのでBEP療法の1クール目の体験談を書いておきますー。

昨日は小山さんが3時間もテレビに出ておられたのでご機嫌です。WORLDISTAの円盤発売も決まりまして、生きる理由が増えてありがたいことです。これで3クール目もがんばれますよ。

 

 

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さて、胚細胞腫瘍である卵巣未熟奇形腫の薬物療法として第一選択であるBEP療法。細かくは病院の方針によってレジメンは異なるかもしれませんが、以下一回投与量。㎡は体表面積です。私は1.5くらいです。

 B : ブレオマイシン 30mg/body

 E : エトポシド 100mg/㎡

 P : シスプラチン 20mg/㎡

BEPは3週間で1クールがよくある方法かと思いますが、私がかかっている病院では3投1休で1クールなので4週間かかります。休薬期間のあるなしは病院の方針によるようですね。私の場合は、卵巣未熟奇形腫の症例が少なくて休薬の有無で治療成績に差があるか比較ができていないのと、手術で片側卵巣を摘出しているしほかに病巣らしきものはなく転移の可能性は低かろう、再発の可能性は高くないだろうが治療方法はあるし、なるべく安全な方法で、とのことで。再発云々はどうだかねと思っていますが(笑) まぁふたクール投与してみた感じだと、休薬なしはきつかったかなぁと思います。

ブレオマイシンは肺障害を起こすので生涯で300mgまでしか投与できませんが、胚細胞腫瘍においては360mgまで投与可ということになっておりますので4クール行う方法もあります。私はとりあえず3クールの予定です。

投与スケジュールは以下のとおり。

 day1 : BEP,  day2-5 : EP ←入院

 day8, 15 : B ←外来

 

シスプラチンを5日間毎日ちまちま入れるんですが、こいつは腎障害を起こしやすいので余分なシスプラチンを洗い流すための輸液が24時間どばどば入りっぱなしの状態になります。ということは、1~5日目はずっと点滴を刺しっぱなし。

これがね!!! 超絶ストレス!!

なるべく刺されたくない(むろん医療スタッフ側も抗がん剤が入っているひとの刺しなおしなんてなるべくしたくない)一心で入っている点滴を全力で保護。私は血管が細いうえにいまいち出てこないタイプだそうで、5日間…もつかなぁ…とあらゆるひとに言われます。点滴さしたところが漏れたり抜けたりしないように動きの少ないところに刺すのが普通なんですが、いいところに血管が出ない私は手首付近に取られます。超困る。せめて動きの回数を減らせるように左腕にしてくれとお願いしております。

腎障害が起こっていないか見るために尿測もしなきゃならなくて(本当に必要かよ??と毎回疑っておりますが。嘘つかねぇよ尿回数…たいへんなんだよ尿量も多いんだから…)右腕に点滴さされたら絶対むりー。

心許ない血管を全力で守っているのでシャワーも我慢。すごく嫌だけど仕方ない…。

5日目の夜中にようやく点滴が抜けるので、そのときを一秒ずつ待っている感じで時を過ごします。5日間わりとずっと怠くて、テレビを見る元気もなくぼーっとしてました。

5日間がんばってくれた血管は、day6くらいから地味に痛みがありましたね。2週間くらい続きました。

 

点滴と尿測ストレスのほかに面倒なのが、胃の不快感。とにかくずっと気持ち悪い。

3日目の昼頃から食べられなくなりました。果物だけとか。おなかいっぱいな感じが続くので水分を摂るのもとても億劫で…。補液めっちゃ入ってるから飲まなくてもいいだろ、と乾燥に対応する程度にしか飲みませんでした。

シスプラチンが吐き気をがっつり催す薬なんですよ。いまは吐き気止めがかなり進化してきているので実際に吐いてしまうのは防いでくれるのですが、気持ち悪いのまですっきり取ってくれるところまではいかず。毎日入れられているのも影響していると思いますが、退院してからも胃がだるいので、day17くらいまで胃腸と相談しながらご飯食べてました。

ちなみに吐き気止めは、

 〇パロノセトロン 0.75mg (5-HT3受容体拮抗薬)シスプラ連投なので1日目と4日目に点滴投与

 〇デキサメタゾン 6.6mg (点滴) + 8 mg (経口)(副腎皮質ステロイド)毎日

 〇メトクロプラミド 15mg(D2受容体拮抗薬)内服、毎日

 〇アプレピタント 125mg → 80mg →80mg(NK1受容体拮抗薬)3日間内服

でした。フルコースだ! 

頓用で使ってねとロラゼパム(BZD受容体作動薬中間型)を出されていたのですが私はあんまり…。飲むと眠気がすごいのとぼんやりが増すだけで特に気持ち悪いのを軽減してくれる感じはしませんでしたね。まぁ、吐いちゃう!という恐怖心がある場合は効きそうですけど。ジプレキサなら適応もあるのにな~なんて思ったりしちゃう。

 

食事は、食べられるものを食べられるぶんだけ食べりゃいいと思っているのでさほどストレスではありませんでした。まったく食べられなくなると困りますけど、果物いけるならいいか、みたいな。

食べられるものとそうでないものもわりと毎日まちまちで、私はあまり傾向がありませんでした。果物は例外なく食べられたけれど。あと、ツナ。常に胃の容量がいっぱいな感じだったせいか、柔らかいものに箸をつけていたかもしれません。

 

ステロイドの量がかなり多い(max手前くらいですかね)ので、day3くらいからだるいのなんの。顔は赤くなってきますし、むくみます。フルムーンフェイスってこれかね、と思いながらぱんぱんの顔を眺めたりしていました。かわいくない! これがとれるのがday8くらい。

まぁこれは2クール目のとき気づいたんですけど、赤ら顔と怠さ(と、気持ち悪さの上乗せ)はエトポシドのアルコールも多分に影響していそうです。

 

ブレオマイシンはアレルギー反応が出やすい薬なので、かゆみやら発熱やらに注意が必要なのですが私はいまのところ無症状です。単体で投与する day8, 15 は投与前にアレルギー予防でソルコーテフ500mgをがっつり入れますね。

1クール目の day8 は休日だったので外来しまってるやん、ということで入院のまま投与してもらったのですが、気持ち悪い~~と訴えていたらデカドロンを継続で出してくれまして。ステロイド超入りました。

 

1クール目は全身のむくみもありました。左手と両足がぱんぱんでした。しゃがめない日もあったな、そういえば。day2の IN/OUT のバランスがとても悪くて。ちょっとがんばって水飲んじゃったんですよね。補液が終わったら食べていないこともあってどんどん痩せましたが、入院時から +2.6kg までいきましたね。利尿剤入れるかなと思いましたが、もともとは正常な腎機能だしまだ1クール目だから入れないよーと先生に言われました。

 

さて、こまこま書いてきましたが副作用の二大面倒だったのがこちら。

 

①脱毛

day13、シャワー時にいつもより抜け毛が多く、しかも黒々とした毛が抜けていることに気づく。

day14、抜け毛には毛根がついていないんだなぁとか思う。

day15、めちゃくちゃ抜ける。部屋にやたら髪が落ちるので腹立たしい気分になってくる。

day16、シャワーで流せば抜け、シャンプーすれば抜け、触れば抜け。シャワーをいつ終わればいいのかわからない勢いで抜け続ける。ついつい髪を触るので手ががさがさである。

day17、シャワーが憂鬱。息しているだけで抜けるのでイライラが止まらない。

day18、意を決してシャワーでしこたま抜いてみる。手櫛するとどんどん取れるの。これやると毛穴が曲がるらしくて、後々ウィッグ屋さんに行ったときに叱られました(笑) でもこのときは抜け毛ストレスがもう爆発寸前だったので後悔してません。きっとうねった髪が生えてきちゃうんだろうけど。もう仕方ないよ。自分の髪けっこう好きだったけどね。

 

もともと髪の量がかなり多いせいなのかわかりませんが、時間がかかっていると思います。つるっとすべて抜けたわけでもないですしね。まだうっすらありますよ。

すね毛も引っ張れば抜けますよ。抜けないのもありますけど。

投与前から、脱毛が本当にいやだ!!と思っていたのですが、脱毛に対するショックはほとんどありませんでした。想像しておいてよかったわ。それよりイライラが強かった(笑) こっちは想像していなかったしな。こらえ性がないのですね。いまはもはや、ないもんはしょうがないよ、と思っています。終われば生えてくるよ。人生初のショートヘアとか実はけっこう楽しみだよ(普段はボブ)。

あぁでも、入院中でなくてよかった、とは思いました。脱毛期が入院と重なっていたらとても精神的に落ち込んだと思う。だって風呂場どうするのよ! ベッドにいるときだって、使い捨ての帽子をかぶってすごすことになりますけれど、気になりますよね。

 

②骨髄抑制

起こるだろうなと思ってはいたのですが、想像よりずっとレベルが高かった!

day15 のブレオマイシンの投与で病院に行き、採血したところ、見たことないくらい白血球と好中球の値が少なかったです。というか、ほぼなかった。数値を見てしまってから「自分の身体を自分で守れない」恐怖に苛まれましたよ。

白血球のなかの闘う戦士たちが好中球なんですけど、こいつが100/㎣ 以下でした。わぉ。発熱は幸いなかったのですが、発熱性好中球減少症というやつのgrade4にあたる酷さ。やばい。

生ものや発酵食品は食べないようにしましたし近所のお買い物くらいしか出かけていませんでしたし、手洗いうがいは普通にしていましたし…。いやぁ抗がん剤ってすごいですね。こんなに根こそぎやれてしまうとは。

 

これはいかん!!ということでday15のブレオマイシンは投与することができず、スキップすることになりました。

その代わりにフィルグラスチムという、白血球を増やす刺激を与える薬を投与。皮下注射です。外出禁止なのに毎日これを打ちに病院に行かねばならぬ矛盾(笑) 文句は言えぬ。発熱したら入院です、と言われヒヤヒヤしながら生活しました。

投与2日目の朝から腰が痛いなぁと思っていたのですが、それが副作用でした。2日目の夕方頃から骨がまぁ痛くて痛くて痛くて笑ってしまうくらいで、夜はほとんど眠れず。こんなに骨髄が主張したことはないわ、と骨たちの存在をビシビシ感じる。そして関節も痛い。ついガイドラインや添付文書を読んでみて、骨痛の発現率が1-3% という驚きの数字であることに愕然としてさらに眠れず。嘘だぁ、こんなに痛いのに??

三日間連続で投与し、無事に好中球が戻りました。発熱もなんとか回避。はーー、よかった。脱毛とかぶっていたので絶対に避けたかったの、入院。

 

このレベルの骨髄抑制を起こしてしまうと、次回クールから抗がん剤の投与量が減量になります。抗腫瘍効果よりもちろん命優先。闘えない身体での感染症は恐ろしいわ。

 

 

 

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骨髄抑制から復活したあとはわりとなんともなく元気にのんびり過ごしました。またすぐ入院なんですけどね。

そういえば嫌だなぁと思っていた副作用、色素沈着はさほど起きませんでした。左手の薬指の付け根にぴっと横線が入ってしまったくらいかな。なにしたんだろ、指輪はしてないしなぁ。

入院したとき、そもそも珍しいBEPと私が同業者であることで病棟でちょっとした有名人でした(笑) いいんだけどさ。

 

休薬期間に24時間テレビがありまして、NEWSがカナリヤを初歌唱したのがたいへん嬉しかったです。感涙したその気持ちのまま次の入院へ。前回なんだかんだ書きましたけど、やっぱり好きなひとたちががんばってくれている姿は背中を押してくれるものです。

2クール目のことはまた後日書きますー。